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ドル資産一辺倒の運用は、投資の基本原則を無視するものであった。 また、「政治的な観点からドルを支える必要があり、そのためにドルに運用せざるをえないのだ」と言われることもある。
政治と経済を混同した考えだ。 政治的にアメリカとの連携を密にする必要はあるかもしれないが、投資の基本原則を無視してドル資産を購入する必要は、まったくない。
2007年9月に施行された金融商品取引法は、リスクがある金融商品の販売において、リスクの説明が十分になされなければならないこととし、外貨投信などを販売する際は、為替リスクが伴うことをくどいほど説明しなければ、説明責任を果たしたとは見なされない。 ところが、政府自身が、為替リスクをまったく無視した無謀な資産運用をしているわけだ。
金融的連鎖を重視するなら金融正常化が必要以上のような状況下で、今後の金融政策はどのようになされるべきだろうか。 外貨預金や外貨投信は、為替リスクを回避したければ購入しなければよい。
こうした資産運用をするかどうかは、個人が判断して決められることだ。 これ以外にも高い為替リスクの金融商品はある(「FX取引」がその典型例だ)。
リスクを避けたければ、こうした投機的取引には手を出さなければよい。 このような投資をした人は、自ら望んで為替リスクを負ったわけだから、円高によって元本が減少したとしても、「自業自得」と言えないこともない。
外貨準備はそうではない。 国民の財産であり、間接的なかたちではあるが、国民1人ひとりが保有しているものだ。
それにもかかわらず、その積み上げも、通貨の選定も、国民にはなんの相談もされずになされた。 つまり、すべての日本人が、無謀で合理性を欠く資産運用に無理やり付き合わされたのだ。

金融混乱が続くため日銀が金利を引き上げることは難しいと、一般には考えられている。 2007年2月の金利引き上げを最後としてその後金利引き上げがなされていないことも、妥当であると一般に考えられている。
ただし、この判断は、実物的連鎖と金融的連鎖のどちらを重視するかで異なるものとなる。 一般に考えられているように実物的連鎖を重視するなら、アメリカの需要減退に対して、日本では金融緩和を継続し、需要減退を食い止めるべきだときれよう。
金融的連鎖を重視する場合には、金融緩和を継続すれば、投機的資本移動を温存させる結果となる。 日銀はこれまで金融政策が実物変数に与える影響を重視し過ぎて、その途中での金融リンクを軽視してきた。

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